通信教育部長からのメッセージ

通信教育部長 池田 幸弘

原理と実践の融合を求めて

通学課程の学生に接していつも思うことは、かれらがかかえている勉学上の困難の一部が、実践を知らずして原理を勉強している、もしくはさせられていることにあるということです。もちろん、端的に勉強が足りない、ということもありえますが、社会体験を伴わないで勉学することの苦労はあります。

経済、経営、法の領域では、実践との関係は密接なものがあります。会社という組織のなかで働いた経験を持たない、また起業した経験もないという学生にとって、マネジメントや人事管理の問題を真剣に考えることは困難です。
また、いままで法的な問題にまで発展するような問題にまきこまれなかった学生にとって、法解釈のこと細かな問題が、倫理観や国民性の問題とかかわっていることを感得するのは難しいといえます。
一定の恋愛経験や人生体験を前提にした文学などについても同様です。若い時には理解しえなかった文学について、年齢と共に親しみがわくという経験は誰でもなさるでしょう。

このような観点からみると、通信教育課程の学生はすでに一定の利点を持っているともいえそうです。どのようなご経歴を経ていても、一定の社会経験、体験を経ているケースが多いからです。

私どもが提供できるのは、言葉の広い意味での、原理、原則です。これは、学問分野には依存しません。上記の諸分野、否すべての人間の知的生活について必要なのは、原理と実践の融合ではないでしょうか。
実践から帰納して一定の原理を得る。その原理を現場の知識に照らして、再チェックする。また、原理そのものを改訂する。人間の知識の進歩は、おおよそこのようなサイクルの繰り返しです。私どもがとくに通信教育課程の皆さんに期待しているのは、このようなことです。
豊富な社会体験に基づいて、皆さんはそれぞれの「問題」をすでに認識されています。
それを原理、原則の立場からどのように考えたらよいか、このような観点からお手伝いをする。それが通信教育部の重要な使命である、このように私は常日頃考えています。

皆さんとスクーリング、その他の機会にお会いできるのを楽しみにしております。