学部長メッセージ

文学部長 松浦 良充

慶應義塾大学文学部は、狭義の「文学」にとどまらず、「文」にかかわる広大な領域を対象にした研究教育機関です。

文学部の研究教育の中軸に位置する「文」とは、広く「学芸」(学問・芸術)全般を包含する「知」を意味します。そこには、人間がつくりあげてきた世界の叡智と文化、社会や環境そして人間そのものの行動や形成にかかわる多様な分野が含まれています。具体的には、哲学、文学、史学、さらには図書館・情報学、社会学、心理学、教育学、人間科学などの領域が文学部の知を構成しています。

もっとも文学部の知は、単に多様性や広領域性を特徴とするだけではありません。私たちは、人間と文化、社会、環境を成り立たせている根源を志向します。つまり事象の本質を知的に追究するという姿勢です。そしてそれには「ことば」が重要な役割を果たします。文学部の教員と学生は、ともに互いのことばを尊重しながら、事柄の本質を見極めるための知的探究に共同してとりくんでいます。

通信教育課程は文学部の基本的理念の実現にとって不可欠の重要な教育課程です。社会のさまざまな分野で多彩な経験を積み、いまもなお旺盛な知的意欲をもつ皆さんを、慶應義塾大学文学部は歓迎します。文学部の知は、皆さんが新たな課題に挑戦して前進を重ね、主体性と協調性を兼ね備えた自律的な市民として羽ばたいていく力を培うはずです。そしてその力は、私たち文学部の知そのものをより豊かなものに成長させるはずです。