教員紹介 鳥海崇

体育研究所専任講師
鳥海 崇

体育研究所専任講師
鳥海 崇

現在の専門分野は体育学のコーチングです。特に水球競技に関わっており、水球日本代表を支えてオリンピック出場を目指しております。大学院時代は比較惑星学という、宇宙物理学の分野で太陽系における惑星の成り立ちについて調べる研究をしてきました。そのため、宇宙の話を聞きに来てくれる学生さんも少なくありません。

現在の研究としては、我が国における安全水泳教育の普及を扱っております。東京五輪に前後してプールやスイミングクラブの数が増加し、それと共に国民、特に子供達の泳力は飛躍的に向上しました。しかしながら川や海といった自然界で泳ぐ経験が次第に減っていったため、その泳力とは安全が確保されたプールの中でのみ有効な「速い」泳力でした。近年、親水公園の増加や自然環境下における遊泳経験の重要性が再認識されつつあり、その際は周囲の状況を意識しながら泳ぐための知識や技術といった「安全な」泳力を身につける必要があります。

この分野において慶應義塾は先進的であり、一九六一年には日吉キャンパスの五〇メートルプールにおいて、当時塾長であった小泉信三が「塾生皆泳」として全塾生に五〇メートルの泳力獲得を卒業要件に指定しました。これは現在の安全水泳につながる思想から始まったものでした。ただし現在この伝統は幼稚舎に残るのみとなっております。

二〇〇八年には慶應義塾創立一五〇年を記念して日吉キャンパスの協生館地下に新しいプールが完成しました。大学設備としては異例の規模で五〇メートル競泳用と飛込用という二つの室内プールを有しています。小学生から社会人まで様々な年齢層、そして泳げない人から五輪メダリストまで様々な泳力を持つ人々が泳ぐプールとなっております。現在はこのような協生館のプールで泳いだことがある人は同じプールで泳いだ縁ということで「泳縁」というつながりを意識しています。特に授業で一緒になった履修者はその後も仲間として「泳縁会」を結成して情報交換や懇親を深めています。

通信教育課程では主に体育実技スクーリングの水泳授業で毎年約三〇名の学生と楽しく泳いでおります。水泳授業の特徴としては、スクーリングの期間だけではなく、それ以降も「泳縁」が続くということです。毎年、水泳授業の履修者だけでなく、前年度に水泳を履修した方、もしくは通信生ではなく、通学生も含めて懇親会を実施し、文字通りの「泳縁」を実践しております。次の夏には皆様と「泳縁」の仲になれることを楽しみにしております。

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