教員メッセージ

文学部

佐川 徹Sagawa Toru

文学部
准教授

専門分野:文化人類学、アフリカ地域研究

私が専攻している学問分野は文化人類学とアフリカ地域研究です。文学部での調査研究というと、椅子に座って本を読みふける姿を思い浮かべるかもしれません。もちろん、人類学者も多くの文献を手に取ります。それと同時に、フィールドワークという作業が人類学的な営みの根幹を成しています。つまり、人々が実際に生活する現場へ調査者が赴いて、その場に生きる人びとの行動を観察したり、彼らへ聞き取り調査をしたりするのです。「住民の視点」を出発点に世界で生起する諸現象を読み解いていくことが、人類学者のおもな仕事です。
私が研究対象としてきたのはアフリカの諸社会です。アフリカというと貧困と紛争のイメージが強いかもしれませんが、今世紀に入ってからは多くの国で経済が成長し、若者が多数を占める社会は活気に満ちています。都市部では中間層向けのおしゃれな店が次々と開店する一方で、農村部では急速な開発事業が人びとのくらしに様々なひずみをもたらしてもいます。
「21世紀はアフリカの時代」といわれます。実際、2100年には世界人口の約40%を「アフリカ人」が占めることになるかもしれません。急速な変化の只中にあるアフリカ社会の姿を現場で観察しながら、来たるべき「アフリカの時代」のありようを考える研究生活を送っています。

志願者の方へ

文学部には、2019年度時点で140人をこえる専任教員が在籍しています。教員が専攻する学問分野は、哲学や文学、美学から歴史学や考古学、さらには図書館情報学、社会学、心理学、教育学、文化人類学にまでおよびます。これほど多様な分野の知を同時に学ぶことができる教育機関はまれであり、通信教育課程でも志願者のみなさんそれぞれの関心を広くカバーする授業が開講されています。入学後はご自身が専門とする分野の知を深く探究すると同時に、もともとは興味がなかった分野の授業も積極的に受講して、知的好奇心の幅を広げていってください。

プロフィール

職名: 文学部 准教授
専門分野: 文化人類学 アフリカ地域研究

経歴
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。同研究科助教、慶應義塾大学文学部助教などを経て現職

著書
  • 『アフリカで学ぶ文化人類学―民族誌がひらく世界』(共編著、2019年、昭和堂)
  • 『文化人類学の思考法』(分担執筆、世界思想社、2019年)
  • 『詳論文化人類学』(分担執筆、ミネルヴァ書房、2018年)

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