教員メッセージ

経済学部

新井 拓児

新井 拓児Takuji Arai

経済学部
教授

専門分野:数理ファイナンス

私の専門分野は、数理ファイナンスです。オプションなどの金融派生商品の価格付け問題や最適ポートフォリオ問題などを研究しています。株式投資や実際の金融取引に興味があるわけではなく、ファイナンスから発生する数学的問題、とりわけ確率論や関数解析に関する問題を研究対象にしています。
私自身は経済学部の教員でありながらかなり数学に偏った研究を行っていますが、ファイナンスは多様なバックグラウンドを持った人が活躍できる分野です。実際、ファイナンスの専門家(研究者だけでなく金融実務界で活躍している人も含めて)と呼ばれる人には、数学、経済学、計算機科学など様々な分野の出身者がいます。つまり、ファイナンスの専門家と言っても実に様々なのです。それぞれの専門家には、当然のことですが得意分野というのがあって、その特性を生かしながら日々勝負しているのです。
一方、日本には幅広い専門性を備えたファイナンスの専門家があまりおりません。これは、日本の大学制度では文系と理系とに始めから分けてしまうからだと思います。ファイナンスの問題を多角的に分析できる幅広い知識や技術を持った人が、日本のファイナンス業界には必要だと思います。

志願者の方へ

経済現象の分析方法には、理論的手法だけでなく、統計データなどを用いた計量的手法や、歴史的手法など様々なものがあります。また、分析対象となる経済現象の見方も、国家などのマクロ的視点や、一企業や家計などのミクロ的視点など様々です。経済学は、それぞれの興味や得意分野を生かしながら学べる奥深さを持っています。その一方、自分の興味や可能性を限定することなく新しい学問分野に挑戦する勇気も大事です。慶應義塾の経済学部は、長い歴史と伝統を持つ一方、日々変わりゆく経済状況の中、常に新しい挑戦を続けています。

プロフィール

職名: 経済学部 教授
専門分野: 数理ファイナンス

経歴
2002年 東京理科大学理工学部情報科学科助手
2005年 慶應義塾大学経済学部助教授(2007年、准教授に名称変更)
2014年 慶應義塾大学経済学部教授

著書・主要論文 など
  • Local risk-minimization for Barndorff-Nielsen and Shephard models, Finance & Stochastics, vol.21, pp.551-592, 2017 (with Y. Imai and R. Suzuki).
  • Convex risk measures for good deal bounds, Mathematical Finance, vol.24, pp.464-484, 2014 (with M. Fukasawa).
  • An extension of mean-variance hedging to the discontinuous case, Finance & Stochastics, vol.9, pp.129-139, 2005.

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