教育目標・方針

通学課程において17の専攻から成る文学部は、通信教育課程において3つの類に区分されます。
第1類は哲学、第2類は史学、第3類は文学をそれぞれの中核とします。

第1類

哲学、倫理学、美学美術史学、図書館・情報学、社会学、心理学、教育学、人間科学の各専攻領域を中心として、広義の哲学や人間科学に含まれる専門研究を行います。 人間の存在、認識、価値を省察する哲学や倫理学から、実験を基盤として自然科学の性格をも帯びる心理学、個人の美的感受性の分析から集団のコミュニケーション研究まで、多様な分野があります。

第2類

日本史学、東洋史学、西洋史学、民族学考古学の各専攻領域を中心として、歴史に関する専門研究を行います。 それぞれの専門領域の枠をこえて、キリシタン史のように東西にまたがる研究や、また西洋と東洋の接点であるオリエントの歴史、ポリネシアや東南アジアにも及ぶ民族学と考古学など、時間軸から世界を捉えようとする研究分野もここに含まれます。

第3類

国文学、中国文学、英米文学、独文学、仏文学の各専攻領域を中心として、文学と言語研究を主要な対象とした研究を行います。 日本の諸大学の文学部の中でも特筆に価するレパートリーの広さと伝統を持ち、第1、2類の諸専攻との連携の上に立って、専門的かつ総合的な研究を行います。

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

文学部(通信教育課程)は、本塾建学の精神に則り、哲学、美学、図書館・情報学、人間関係学、史学、文学にかかわる理論と応用を研究教授し、文化の創造と社会の発展に資する幅広い教養と深い学識および知的・倫理的・実践的能力を有した人物を育成します。すなわち「文(ことば)」にかかわる広大な領域を対象として、創立者福澤諭吉の「実学の精神」に基づき、実証的に真理を解明し問題を解決してゆく科学的な姿勢と知識および能力を培うことをめざします。
文学部(通信教育課程)では、学生が所属する「類」(第1類:哲学を主とするもの、第2類:史学を主とするもの、第3類:文学を主とするもの)、およびその中で扱われる専攻領域によって求められることが多少異なります。学生は、執筆を希望する卒業論文のテーマに関係する専攻領域で求められることを踏まえ、指導教員の指導のもとで卒業論文の執筆を進めます。所定の要件を満たしたと認められる学生に対して、学士の学位が授与されます。

各類で授与される学位、およびその中で扱われる専攻領域は、文学部(通学課程)の 17 専攻と対応しており、次の通りです。
[第1類]
学士(哲学):哲学専攻領域、倫理学専攻領域
学士(美学):美学美術史学専攻領域
学士(図書館・情報学):図書館・情報学専攻領域
学士(人間関係学):社会学専攻領域、心理学専攻領域、教育学専攻領域、人間科学専攻領域
[第2類]
学士(史学):日本史学専攻領域、東洋史学専攻領域、西洋史学専攻領域、民族学考古学専攻領域
[第3類]
学士(文学):国文学専攻領域、中国文学専攻領域、英米文学専攻領域、独文学専攻領域、仏文学専攻領域

授与される学位ごとの卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)は別に定めるとおりです。

授与される学位ごとの卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

学位 ディプロマ・ポリシー
第1類 学士(哲学)、学士(美学)、学士(図書館・情報学)、学士(人間関係学) PDF
第2類 学士(史学) PDF
第3類 学士(文学) PDF

なお、学修の最終成果である卒業論文(卒業試験)は次の審査項目を満たすものとします。ただし、学位や専攻領域によって多少異なります。
1. テーマ・問題意識が明確である。
2. 先行研究を踏まえている。
3. 方法が目的に適っている。
4. 内容が論理的で一貫している。
5. 形式が学術論文として適切である。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

文学部(通信教育課程)は、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を実施するために、総合教育科目(必修外国語科目を含む)および専門教育科目(第1から第3の「類」に分類)から構成される教育課程(カリキュラム)を編成します。それぞれの科目の編成・実施の方針は、以下に示すとおりです。

文学部(通信教育課程)の研究教育の対象は、人文学、社会科学に限定されるものではなく、自然科学や学際的な分野も包含する幅広さと多様性を特徴とします。したがって文学部の教育課程も多様な科目や分野によって編成されます。特に総合教育科目(必修外国語科目を含む)においては、学士課程での学びの軸となる幅広い見識、学習のための基礎的技能、着実な言語運用能力の形成をめざした科目編成や授業運営を実施します。また専門教育科目においては、所属する類にかかわる基礎的な知識を基盤として、学生が自らの学習を進め、次第に高度な専門的学識や技能を習得することができるような教育課程を編成・実施します。さらに所属する類以外の専門教育科目等の履修も可能とし、学生が自ら定めた研究・学習課題をさまざまな授業科目や学習機会によって達成できるような教育課程を編成・実施します。

学生は入学に際し、3つの類(第1類:哲学を主とするもの、第2類:史学を主とするもの、第3類:文学を主とするもの)のいずれかに所属します。専門教育科目の履修においては、所属する類に分類される専門教育科目から 28 単位以上を取得することが求められます。ただし、本学文学部が取り扱う多種多様な学問分野で学び、幅広い見識を身に付けることが求められることから、履修可能な科目を所属する類の科目に限定せず、将来的に自らが目標とする卒業論文のテーマに向け、学生は自由かつ横断的に履修・学習を行うことを可能としています。

なお、3つの類ではそれぞれ次の専攻領域を扱っています。
[第1類](哲学を主とするもの)
哲学専攻領域、倫理学専攻領域、美学美術史学専攻領域、図書館・情報学専攻領域、
社会学専攻領域、心理学専攻領域、教育学専攻領域、人間科学専攻領域
[第2類](史学を主とするもの)
日本史学専攻領域、東洋史学専攻領域、西洋史学専攻領域、民族学考古学専攻領域
[第3類](文学を主とするもの)
国文学専攻領域、中国文学専攻領域、英米文学専攻領域、独文学専攻領域、仏文学専攻領域

授与される学位ごとの教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)は別に定めるとおりです。

授与される学位ごとの教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

学位 カリキュラム・ポリシー
第1類 学士(哲学)、学士(美学)、学士(図書館・情報学)、学士(人間関係学) PDF
第2類 学士(史学) PDF
第3類 学士(文学) PDF

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

文学部(通信教育課程)では次のような資質・能力を有する学生を求めています。

  • 慶應義塾の精神に対する十分な理解、および学問に対する意欲と向上心
  • 先人による古典類から最新の研究成果が書かれた論文に至るまでの諸文献を読み込み、理解するための基礎となる語学力(日本語、および英語・フランス語・ドイツ語・中国語)
  • 与えられた課題に対して論理的に思考し、それに対する自分の考えを正確かつ十分に記述する能力
  • 現在の社会や文化の成り立ちを理解するための基礎となる歴史的な知識(日本史または世界史)

これらは、文学部 ( 通信教育課程)が設置しているすべての類(哲学を主とする第 1 類、史学を主とする第 2 類、文学を主とする第 3 類)に共通しており、入学後、それぞれの類における独自のカリキュラムに従って、専門的な知識や能力を身につけていきます。したがって、文学部(通信教育課程)に入学する者は、これらの類が対象とするいずれかの学問に対する関心・好奇心を有することもまた必要です。

以上の方針に基づき、入学選考を実施します。入学選考は書類選考によりますが、今後の学習勉学計画・研究計画について、明確なプランを持っていることが求められます。入学後、円滑に勉学を進めていくための、基本的な学力、とくにアカデミック・ライティングのために必要な日本語能力を求めます。

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